happy birthday to you

あいつが会社を休んだ18日は、あいつの27回目の誕生日だった。
今日の昼休み、愚痴をこぼすようにあいつがそう言った。
「最悪の誕生日ですよ」
咳が止まらず今日も一日マスクをつけていて、体調はまだまだ完璧とはいかないあいつ。
なんとなく口数も少なくて、元気がなく、いつものノリじゃないから、オレもつい遠慮して話をしないようにしてしまった。
でも、そんなときこそ元気づけるように頑張らないといけないんだよな。
ふざける感じで、おどけるように“ハッピーバースデー”でも歌ってやればよかった。
好きだという気持ちを意識しすぎて、あいつとの時間を楽しめなくなっている気がする。
今はあいつとエンジョイすることをもっと考えないと。